心エコーシミュレータの開発 [2015- ]

心臓における超音波検査(心エコー検査)は心臓の大きさ,形,心臓の壁の厚さや動き方,血流などを可視化する検査手法です.心臓の動きをリアルタイムで計測可能な検査手法であり,使用される超音波は人体に無害とされ,痛みを生じることもないため,心臓の健康状態を確認するうえで最も一般的な検査法の一つといえます.しかし,超音波検査において心臓の観察は,大きく収縮運動を行うことや,血流を読み取る力が要求されるため,より高い症例など知識の習熟が必要となります.心エコーにおける症例などの学習において,より多くの症例を学習できることは大きな重要性を持っています.本研究では,心臓の形状データから心エコー検査で得られるような断面画像の生成を行うシステムの開発を行っています.脈拍を行う心臓の形状データと人体における超音波の伝播特性から,リアルタイムでのシミュレート画像生成を目指します.心臓の形状データを基としたシミュレータの開発は,計測された心臓の形状データやシミュレートにより再現された心臓のデータから心エコー検査の再現が可能となります.このことは,より多くの症例を学習することを可能にします.
※東京大学大学院新領域創成科学研究科人間環境学専攻久田研究室

  1. 田村 莞爾, 広田 光一, 野島 琢也, 杉浦 清了, 久田 俊明: 心エコーシミュレータにおけるシミュレート画像生成アルゴリズムの検討; 日本VR学会第22回大会予稿集, 1E2-04, 2017