仮想粘土シミュレーション[2017-]

近年、力覚提示(ハプティクス)とその入力装置の進化により、細かい動作を必要とする場合であっても、まるで実際に体験しているかのように仮想体験を行うことが出来るようになってきています。そこで、陶芸のような粘土物でモノを造形するという体験も仮想空間内で行うことが出来るのではないかと考えました。しかし、このような体験を実現するためには二つの課題があります。一つはリアルタイムに変形する仮想粘土モデルの作成です。粘土のように変形する物体のCGについては様々な研究がされており、これらの研究の多くは視覚的な粘土らしさを表現するために粒子ベースモデルが利用されています。従来の粘土のように柔らかい物体を扱う粒子法は主に自然科学においてシミュレーションなどで用いられています。しかしながらいずれも物理モデルとしての精度に重点を置いており、その場で操作できるプログラムには使われません。本研究ではこのよりシンプルなモデルによって粘土特性の表現が可能であるかを検証しています。これによってリアルタイムにユーザーが操作できるモデルを実現しようとしています。