疑似的緊張状態がゲームプレイに及ぼす影響の評価 [2017- ]

この研究は、市場で売られてるゲームの難易度はすべてゲーム制作陣が設定した数値に左右されているのが面白くなく、じゃあプレイヤー側の状態変えることで難易度に干渉してみようぜという試みから始まったものです。心理学の分野では、外部からの刺激によって感情が生起されるとき、身体反応が先に起こりその後で感情を自覚するとする学説(ジェームズ・ランゲ説)があります。「悲しいから泣くのではなく、悲しいから泣く」という考え方です。また、同じ身体反応でもその原因によって生起する感情は異なるとする学説(シャクターの情動二要因説)も知られています。悲しい知らせによって泣いたなら「悲しみ」の感情が、嬉しさの余り泣いたなら「喜び」の感情が生じます。本研究では、この2つの学説をもとにして、ゲームをしている最中に空気パックでこっそり胸部を締め付けて、緊張した時の息苦しさを再現してやります。すると体は緊張感を覚えますが、脳みそがその原因をゲームだと勘違いすれば、「自分は今ゲームに緊張してるんだ!」と勘違いしてくれます。過去の研究で、感情の変化は今自分がやっている作業への主観的な難易度に影響を及ぼす可能性が示唆されています。よってゲームに対して緊張感を持たせれば、「内容が一切変わっていないゲームに対し、いつもより難しいと感じさせる」ことが可能になるのです!