身体運動の認識が主体感に与える影響 [2016-2018]

歩行追体験とは、身体に対して歩行時と類似の運動を与えることで、あたかも自身が歩行しているかのような感覚を与えることである。その実現における問題の一つは、追体験者に、外部から与えられる受動的な歩行運動を、自身の意思による能動的な運動であるかのように感じさせることである。行為主体感は、通常は能動的運動に対して生じると考えられるが、歩行は多分に自動的で無意識的に行うことができることから、能動性がない条件でも追体験者の意識を適切な状態に保てば、能動的な感覚を与えることができるのではないかと考えている。現在、このための基礎的な検討を進めている。

※この研究は科研費基盤(A)26240029(代表者:首都大 池井寧)の支援を受けて実施されている。

歩行運動提示デバイス